プロペシア

男性型脱毛症とプロペシア(フィナステリド)について


1.男性型脱毛症とは?
思春期から徐々に進行し、40代で完成される、頭皮の頭頂と生え際の髪の毛が“軟毛化”して細く柔らかく、短くなり、最終的には額の生え際が後退して頭頂部の髪の毛がなくなってしまう現象です。日本人では20代後半から30代にかけて気付かれることが多く、30代で10%、60代で50%、平均30%といわれています。男性ホルモンが頭頂部と生え際の毛母細胞に働き、髪の毛の成長期(長く伸びる時期)の時間を短くし、休止期(抜ける時期)の長さを長くすることにより、髪の毛を“ミニチュア化”されてどんどん短くなり、ついには皮膚から出なくなってしまい、髪が少なくなっていきます。

2.プロペシアとは?
男性ホルモンのテストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)へ変換する酵素の働きを抑制する薬として1983年に開発されました。内服するとジヒドロテストステロン(DHT)の毛母細胞への作用がなくなるため、髪の毛の成長期の長さが本来の長さに戻り成長が回復して頭頂・生え際の髪の毛の長さや太さが元に戻ります。一般的にプロペシアは頭頂部型の方が前頭部型(生え際)よりも効果が出やすいといわれています。
日本では2005年にプロペシア0.2mg、1mg錠が承認されました。日本では0.2mg錠と1mg錠の価格が同じで副作用にも差がなく、十分な効果を得るためには1mgの内服が一般的です。プロペシア1mgを内服すると約3~6か月で効果が現れ、6~12か月で効果は最大に達して、以降は定常状態になってその後効果がやや低下していきます。内服を中止すると3~6か月で効果はなくなりますが急に症状が悪化することはなく、再開すると再び効果が出てくると予想されます。内服した後は右肩上がりに永遠に毛髪の数が上がるわけではないので、これ以上増えないのかと中断されやすいのですが、内服して1年以降も引き続き内服していく必要があります。
またすでに男性型脱毛症の症状が進行している場合、症状の進行を抑える事ができても期待される増毛効果までは得られないことが多く、50才を越えると効果が出にくい傾向にあります。なかにはかなり進行した方でも効果が見られる場合もありますが、一般論では軽度から中等度の男性型脱毛症の方に主に薦められる薬となります。
3.プロペシアの副作用は?
日本で施行された治験の結果では重い副作用の報告はなく、性機能に関する副作用(性欲減退・勃起機能不全・射精障害などの自覚症)の率はプラセボ(薬の内服なしの場合)では2.2%、プロペシア0.2mgでは1.5%、プロペシア1mgでは2.9%と有意差がなく、いずれも内服を中止しないでも症状がなくなっています。
重要なことは、男の子を妊娠中の女性がプロペシアを内服すると男児の外性器が半分女性化するため、女性は内服してはならず、20歳以上の男性しか内服することができません。プロペシアの錠剤を粉砕して女性が吸引することがないように、粉砕も禁じられています。しかし、夫やパートナーがプロペシアを内服していても全く女性の妊娠には影響ありません。プロペシアは男性の精子には影響を与えず、男性の血液中から精液を介して女性の体内に吸収される量は微量であるからです。
また、プロペシアを毎日内服していると前立腺の大きさがわずかに縮小して前立腺がんのマーカーであるPSAの値が約1/2になるので、プロペシアを内服中の方が前立腺がんの検査目的でPSA値を検査する際は、検査結果を2倍にする必要がありますので注意が必要です。

4.育毛剤の併用は?
市販の育毛剤は男性ホルモンに関係したものはなく、血行促進作用が主な作用であるものが殆どです。唯一の発毛剤であるリアップとプロペシアを併用するとヒトにおいても有意な相乗効果が報告されています。リアップは通常のリアップ1%とリアップEX5%があります。5%のEXの方が濃度が高い分、効果は高いですがかぶれる(塗るとヒリヒリしたり赤くなる場合)率も高くなるため、まずは1%の通常のものを1日2回、皮膚を軽くマッサージするようになじませるように塗ってみましょう。かぶれがないようなら5%に濃度を上げていくと良いでしょう。

5.若い方で現時点で男性型脱毛症ではない方(薄毛ではない方)、男性型脱毛症に似ていても他の脱毛症である方には内服は適応されませんので、皮膚科医の診察が必要です。お忙しいとは思いますが、定期的に受診していき、正しい情報や知識を得ることが大切です。改善効果を6~9ヶ月で行い、内服を継続するかどうかを決めるとよいと思われますので、漫然と内服することなく、定期的に診察させていただきたいと思います。
 

カテゴリ:プロペシア, 皮膚科, 脱毛症

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